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vol.10「町長への手紙」への回答 (男女共同参画・ジェンダー川柳について)

[2023年12月6日]

ID:6517

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個人情報、文言等に配慮し、実際に頂いた質問内容の表現を変えるなどして、なるべく簡潔にまとめています。

令和5年広報こうりょう5月号「自治基本条例講座vol.26」において掲載した「男女共同参画・ジェンダー川柳」について意見、問い合わせがあり、それに対する回答を併せて掲載します。


5.4質問

「自治基本条例講座vol.26」の「男女共同参画・ジェンダー川柳」の内容は男女共同参画やジェンダー平等を目指しているとはとても思えない、と言うより、むしろ逆行しているとすら受け取れるものもあるように感じます。

例えば、「ジェンダーで改善我が社の女性上位」というのは、女性が上位にあることを否定するものです。

 きっと男性、女性のどちらが上位でもなく等しくあるべきという意図でしょう。しかし、読みようによれば男性上位の肯定と受け取られかねません。

 男女共同参画の意図するところは、現代社会においては女性にとって不利な社会構造がありそれを見直し改めることと私は理解しています。その意味において、この川柳は、ジェンダーの問題を正しく認識したものとして受け入れられるとは思えません。

 しかしながら、この特集ではこうしたものも含め、「なるほど!な川柳集まりました」として紹介されているので、このような認識を肯定していることになっています。他の作品も含め、この特集が男女共同参画基本計画に沿った啓発とは思えません。

 「男女共同参画後期計画」にも「応募いただいた全作品について、男女共同参画やジェンダーについて考えるきっかけとして掲載します」という断りが付けられた上でこれらの川柳が参考資料として掲載されています。この断りがあるからいいとも思えません。

 言葉は一人歩きします。まして、川柳という限られた形式の中では、作者や主催者の意図とは異なる伝わり方をするものと認識しべきです。一部分を切り取って発信することも可能なこの時代、これらがどのように伝達されどのような意識を形成するのか、それを受けて広陵町がネット上で炎上するようなことになりはしないか、と心配もします。

・この計画は学識経験者等も含めた委員による審議会での審議を経たとのことですが、この資料の扱いについてご意見はなかったのですか。

・これらの川柳の取り扱い等については、当事者(特に性的少数者の方々)の意見も踏まえられていますか。

・広報の編集に際し、私のように考えられた方はおられなかったのですか。

・広報の担当者及び町行政ご担当者の男女共同参画・ジェンダー平等についての研修はどのようにされていますか。

・この広報等も含め、「考えるきっかけ」を作った以上、その収束に向け今後どうされますか。

 以上、誠意のあるご回答をお待ちしております。



5.16回答

今回の川柳募集及び公表につきましては、普段関心を持ちにくい分野である男女共同参画やジェンダーについて町民皆さまの関心を深めていただくため、広報こうりょう2022年9月号で募集し、応募いただいた作品をこのたび2023年5月号で掲載したものでございます。

今回、言及されているとおり、川柳は限られた文字で表現することから、受け取り方によってさまざまな解釈、読みようがあると思われます。しかしながら、町としましては作者の方それぞれが男女共同参画について考えていただいた川柳作品であり、男女共同参画やジェンダー平等の根本にある「多様性の尊重」における表現の一つと考えております。さまざまな考えを町民皆さまから川柳として提出していただいたこと、そしてその川柳を町民皆さまにご覧いただくことができました。

なお、今回いただいた「男女共同参画に逆行しているとすら受け取れる」というご意見につきましては、本町として真摯に受け止め、今後の男女共同参画やジェンダー平等の推進の際には、十分に配慮しながら事業実施してまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

ご質問に対する回答です。

・審議会でこの資料の扱いについては、計画案に挿入し、計画全体として確認していただいておりますが、掲載することが不適切であるという意見はございませんでした。

・川柳の取り扱い等については、作品募集時に、応募作品について広報や計画冊子等で紹介することを明記させていただいております。応募の際には、作品についての思いも記載いただくようにしており、その中で当事者であることを自身で公表されている方もおられました。なお、作者の思いは町ホームページに掲載しております。

・広報の編集に際し、今回の川柳の掲載につきましては、男女共同参画審議会委員に確認をとっているとともに、広報掲載に際しましては、広報編集委員において審議等をいただいているところですが、掲載に関する意見はございませんでした。

・広報の担当者及び町行政ご担当者の男女共同参画・ジェンダー平等についての研修につきましては、町では全職員を対象に研修を実施しているほか、職員が外部機関で実施される研修等に積極的に参加することを推奨しております。

また、男女共同参画・ジェンダー平等に関する全体研修につきましては、近年はコロナ禍でもあり開催できておりませんが、今後は職員がこの研修テーマに率先して取り組むよう進めてまいります。

なお、役場庁内において平成29年に男女共同活躍推進委員会・作業部会を設置し、職員のうち10数人を委員に任命しております。会議では、役場内だけでなく、広陵町全体の男女共同参画・女性活躍について、当事者意識を持った職員を増やしていく取り組みを進めておるところです。また、平成30年度には1年間広報こうりょうにおいて、標記テーマで特集を組みました。

・本町といたしましては、すべての人々が輝き、いきいきと暮らせるような男女共同参画社会の実現をめざし、「誰もが多様な選択肢から自らが自らの道を選択でき、活躍できる社会」を男女共同参画後期行動計画の基本理念としており、継続した住民の意識醸成の推進が必要であると考えているところです。

なお、周知啓発といたしまして、6月の「男女共同参画週間」にあわせ、HPにおいて「男らしさ」「女らしさ」に関する発信を行う予定をしております。また小学校への出前講座を実施するなど、子どもの頃からジェンダー平等の意識を持てるような取り組みを進めるとともに、その他、男女共同参画に興味・関心を持った人が、適切に情報にアクセスできるよう、町ホームページなどのインターネット情報を含めて情報発信に力を入れてまいりたいと考えております。

今後も男女協働参画・ジェンダー平等の推進について、ご理解・ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。




5.18質問

ご回答いただきありがとうございました。

拝読しましたが、あまりすっきりしていません。町長への手紙は1000字以内ということもあり、私の真意が伝わらなかったのかと思っています。

私は、すべての人が幸せに生きる権利をもっており、互いがその権利を尊重し擁護していく関係を自分たちで築いていかねばならないと思っています。そういう意味において、啓発や教育の重要性を感じています。そのような中で、今回、意見させていただいたのは、正直言って驚いたというかあきれたというか、はっきり言ってなんだか腹立たしく思ったからです。本当に男女共同参画やジェンダー平等ということを理解し、本気でそれを推進しようということでやっておられるのか、はなはだ疑問に感じています。

「『多様性の尊重』における表現の一つと考えて」おられるとのことですが、本当にそう言ってしまってよいのでしょうか。計画の方向性と明らかに異なっているものをも掲載することが「多様性の尊重」ということで理解を得られるのでしょうか。

今回、応募数が少なかったからかもしれませんが、すべての応募作品が掲載されました。「議事録要旨」も拝見しましたが、これらの川柳については十分な審議を踏まえ、掲載の可否について判断がなされたようには思えません。

にもかかわらず、応募されたものが方針や計画から外れていてもすべて受け入れられ、深く審議されることもなく公に肯定されたものとして発信されてしまいました。それでは悪意の有る無しに関係なく何でもありとなり、「言いたい放題」を認めたことになります。ひいては、ヘイトスピーチをも許容するという態度として受けとられても仕方がないものとなります。

だからこそ、そこに行政の主体性が必要なのです。間違っているものは間違っているものとして、方向性から外れているものは外れているものとして、扱うべきだったと思うのです。ところが、残念ながら今回そうはならなかった。だから、私には行政の主体性(本気)が伝わってきませんでした。

まだまだ一つ一つのご回答についても、お伺いしたいことはありますが、きりがないので一つだけお願いがあります。今回のこのやり取りを審議会の委員の皆様にご覧いただき判断を仰いでいただきたいと思います。そして、その結果をお知らせください。

前回にも書きましたが、一部分を切り取って発信することも可能なこの時代、これらがどのように伝達されどのような意識を形成するのか、それを受けて広陵町がネット上で炎上するようなことになりはしないか、と心配もします。私はそうしたことを望みません。ただただ、広陵町民をはじめすべての人が「男女共同参画・ジェンダー平等」社会の実現に向け、正しく考え行動する方向へと導いていただきたいと思っているだけです。どうか意のあるところをご理解いただきご対応くださいますようお願いします。





5.19回答

再度、ご意見いただきました点について、町としての考え及び審議会での判断を仰ぐよう審議会会長に諮りたいと存じます。

以上のことから多少お時間いただくこと、ご理解いただきますようお願いいたします。

<その後の経緯>

令和5(2023)年7月6日

 広陵町男女共同参画審議会会長及び副会長と協議(担当課)

令和5(2023)年8月2日

 本意見提出者と面会(担当課)

令和5(2023)年8月26日

 令和5年度第1回広陵町男女共同参画審議会開催

 本意見について審議会において協議

令和5(2023)年10月23日

 本意見提出者の意見と審議会委員の意見により選出作品(3首)を町ホームページ上にて公開。



11.4質問

10月23日、男女共同参画・ジェンダーに関する川柳が、よりよい未来を感じさせるものを選んで再公開されました。これは、もともと4月20日にHPで、5月には広報誌で応募作品のすべてが大々的に公開されたものの一部です。私は5月にそれらについて不適切であることを申し上げ、それを受けて8月の審議会でも再検討いただきました。その結果、こうして再公開となりましたが、これは果たして本来の目的である啓発に沿ったものとなっているのでしょうか。

 もし、啓発を大切に考えるのであれば、もっとしっかりと広報すべきであると思います。いったん公開したものが不適切であったとして再度選定して公開したのですから、どうしてこのように再公開することとなったのかの経緯についてもきちんと説明することが行政の責務だと考えます。現に担当課の皆様には面会した折にもそう申し上げ、そのことも含め今後対応していくとおっしゃいました。また、「町長への手紙」として意見させていただきましたので、そちらにおいても「回答」を公開していただけるとのことでもありましたが、残念ながら、現段階ではそうしたことになっていません。

 啓発というのは興味を持たせて終わるものではなく、正しい認識を定着させるところまでやるべきものと思います。以前も申し上げましたが、間違いは間違いとして、方向性から外れているものは外れているものとして扱い、そのことを広く知らしめることこそが啓発であり行政の責務だと私は思います。

 町長様はじめ町当局がこの川柳の公開について今後どのようにしていかれるのか、また、「町長への手紙」に対する「回答」をどうされるのか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いします。




11.14回答

本町の男女共同参画に関して、ご意見をいただきましてありがとうございます。

大きく2つご意見をいただいておりますので、次のとおり回答させていただきます。

広陵町の明るい未来のために、どうぞよろしくお願いいたします。

・「再公開した町HPにおいて本来の目的である啓発に沿ったものになっているのか」について

今回のご意見を受け、川柳については先日の令和5年度第1回男女共同参画審議会においてご意見をいただき、作品3つを選定し、選出作品として公開いたしました。

川柳については、審議会におきましてもさまざまなご意見があり、審議会委員から「町HPを取り下げるべきだとは思わない」というご意見もあったと報告を受けています。男女共同参画の価値観は、さまざまな人生経験から培われるものであります。また川柳は限られた文字で表現することから、作者の意図と読み手の解釈に違いが出るものと思います。

これらさまざまな解釈ができる中で同調も批判もあることで議論が深まるものと考えますので、今回のご意見を踏まえ、今後も川柳募集などを通して啓発に取り組ませていただきます。

・「町長への手紙」としての意見に対する回答について

 現時点では回答に対しご納得いただけていないことから、その経緯を含めて公表は差し控えさせていただいております。



11.15

大変ご多用の中、町長様自らお返事をいただき感謝申し上げます。

しかしながら、私はただただ残念な気持ちでいっぱいです。そのうえで、議論を深め、

啓発を進め、正しい方向へと導いていただけるということを信じ、一言申し上げます。

一度公開した上で選出作品のみを再公開されたということは、選出しなかった作品があるということです。なぜ、それが選出されなかったのか。選出されなかった作品の作者にはどのようにお伝えされたのか。はなはだ疑問です。それを納得してもらえるよう説明し、議論の場を設け、正しく導いていくことが主催者(行政当局)や審議会の責任であると考えます。そして、それこそが啓発となるものだと私は思います。今後、そうした啓発を進めていただけるものと信じています。

「町長への手紙に対する回答」として取り上げていただけないのは、私が納得しないからなのですね。つまり、私が公表を止めているのですね。私がOKすれば公表いただけるのですね。

ならば、私にいただきました町長様からの今回のお手紙こそが私への回答だと思います。これまでの経緯も含め、今回いただきましたお手紙をそのまま公表いただきますよう強く要求します。

広陵町の明るい未来のために、どうぞよろしくお願いいたします。





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